クラミジア感染症とは?
クラミジア感染症は、原因菌が粘膜に侵入することで起こる、日本でもっとも多い性感染症(STD)です。
男性の場合は尿道や肛門、女性の場合は膣や肛門、そして男女共通で喉に感染します。性器への感染は「性器クラミジア感染症」、喉への感染は「咽頭(いんとう)クラミジア」と呼ばれています。
クラミジアの原因と感染経路
クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスという細菌が粘膜から侵入し、下記部位の細胞に広がることで起こります。
- 感染の原因
-
- ・性行為
- ・キス
- ・オーラルセックス
- ・粘膜への感染となる行為等
- 感染経路
-
- ・性器
- ・尿道
- ・肛門
- ・子宮頸管
- ・直腸
- ・咽頭
- ・目
“ペニスを膣や肛門に挿入する性行為でのみ、性器に感染する”という認識は誤りです。互いの粘膜に触れるようなディープキスや、性行為に類似した行為(フェラチオ・クンニリングスなど)でも感染は広がります。キスの場合の喉から喉への感染はもちろん、喉から性器に、性器から喉にも感染するため、感染の疑いがある場合は、上記の行為を控えましょう。
性行為以外の感染もありえる?
クラミジアは、キスやオーラルセックスでも感染しますが、粘膜・分泌液への接触以外で感染する可能性はほとんどないため、プールや温泉施設を介しての感染は極めて低いです。
性行為以外では、感染者の体液がついた手で目をこすることによって、まれに目の粘膜にも感染し、クラミジア性結膜炎を発症します。
また、母親から子どもへの母子感染も報告されており、母親の子宮頸管がクラミジアに感染していると出産時に新生児に感染し、結膜炎や肺炎を引き起こします。妊婦検診では、感染自覚のない妊婦の約3%にクラミジア感染が認められています。
クラミジアの感染確率
性行為による感染確率は、コンドームの装着なしで30~50%と高い確率で感染します。コンドームを装着した場合も、装着なしと比較するとリスク軽減はできるものの、始めから終わりまで着けていたか、オーラルセックスの有無、手指にクラミジアを含む体液が付着したかなどで、確率は大きく変わります。
2002年以降は下降傾向にあったクラミジアの感染者数ですが、2015年から再び少しずつ上昇し始めており、報告数に含まれない無症状感染者がいることを考えると、今後も注意が必要な感染症といえるでしょう。
クラミジアの潜伏期間
クラミジアは感染してから症状が現れるまで1~3週間と個人差があり、潜伏期間後も症状がまったく出ないことが多くあります。無症状の割合は半数以上で、感染に気付かず何年も放置し、その間に周りに感染させてしまうケースも少なくありません。
潜伏期間はあくまでも、症状が現れるまでの期間です。潜伏期間中も感染の可能性は大いにあるため、症状が無くても定期的な検査を行うことで、自分とパートナーの身体を守ることにつながります。
クラミジア男女別の症状
以下では、感染した際に現れる症状について男女別に解説します。
男性の症状は尿道の痛み・違和感や
膿が出る等
男性は、性器へのクラミジア感染で、最初に尿道に異常が現れます。尿の出始めに痛痒さを感じたり、水っぽい膿が出たりするほか、無症状の方も少なくありません。尿道の異常を放置していると、感染は精巣上体へ広がって精巣上体炎を引き起こし、男性不妊症のリスクを高めます。
女性の症状は不正出血やおりもの増加
女性は男性と比べて無症状で過ごしてしまう割合が多く、気づかぬうちにパートナーに感染させている可能性があります。感染を放置すると、子宮や子宮頸管、卵管、腹膜の炎症が深刻化し、不妊症のリスクも高まります。
また、妊娠中に感染すると、早産を引き起こすだけでなく、出産時に母子感染を起こす可能性もあるため、感染した場合は分娩時までに治療をする必要があります。
喉の症状はできものなどの咽頭炎
咽頭クラミジアは男性女性どちらも共通して、無症状なことが多く、症状が出ても風邪に似た喉の腫れや痛みであるため、検査・治療が遅くなってしまいがちです。性器のクラミジア感染がなく、喉のみに感染している症例もあるため、注意しましょう。
クラミジア感染による不妊とは
たった一度のクラミジア感染が、不妊症に直結するわけではありません。しかし、放置することで感染が広がり、いずれは不妊症を引き起こします。
女性の場合は、感染を放置すると子宮頸部から腹腔内へと細菌が広がり、卵管炎、卵巣炎などの子宮付属器炎や、骨盤腹膜炎を引き起こします。これらの炎症により、卵・胚が正しく運ばれず、子宮外妊娠や卵管性不妊につながります。
男性の場合は感染の初期である尿道感染を放置すると、前立腺・精嚢、最終的に精巣上体(陰嚢)に細菌が広がります。精巣上体は精巣でできた精子を精管へ運ぶ役割を担っていますが、炎症によって精管が塞がってしまうと、無精子症という男性不妊につながります。
無症状でも男性・女性どちらも検査を
クラミジアは感染しても無症状であることが多く、感染が広がって炎症が出てから感染に気付くパターンが多くあります。将来、子どもを持ちたいと考えている方は、無症状であっても男性女性問わず、一度検査を受けましょう。
天神マイケアクリニックは、ブライダルチェックにもおすすめの、セックス・オーラルセックスで感染する性病を一通りまとめたセット検査「安心フルチェック」も実施しております。ぜひご活用ください。
クラミジアの検査方法
天神マイケアクリニックでは、以下の検査を行っています。喉のみ、性器のみの検査も可能ですので、気軽にご相談ください。
男性
尿:検尿により検査を行います。出始めの尿(初尿)を 採取します
うがい液:うがい液にてうがいをしていただきます。回収したうがい液で検査を行います。
女性
腟ぬぐい液:綿棒を使用して膣からの分泌物を採取します。血液が多量におりものに混入すると正しい検査ができません。月経中の検査は避けましょう。
うがい液:うがい液にてうがいをしていただきます。回収したうがい液で検査を行います。
クラミジア感染の予防方法
抗生物質を不安な性行為の72時間以内に内服することで、梅毒・クラミジア・淋菌の感染を予防できる”新しい性感染症の予防方法”がアメリカ疾病予防管理センター(CDC)から発表されました。CDCの研究では、梅毒は87%、クラミジアは88%、淋菌は55%もの確率で、性行為後の性感染症予防に成功しています。
もちろん、予防効果は100%でないため、予防失敗=性感染症発症を見逃してしまうリスクがあることも否定できません。そのため、予防薬を服用していても、不安な性行為の後は、必ず性病検査を受けるよう心がけましょう。
特に梅毒は自覚症状に気づきにくく、複数段階に進行し、治療せずに放置すると重篤な合併症を引き起こすリスクがある疾患です。さらに、梅毒に一度感染すると、一生涯“TP抗原検査で陽性”となります。治療期間も長期に渡るため、患者様の身体的・精神的負担が大きい性感染症といえるでしょう。
感染の恐れのある性行為があったら、72時間以内に予防薬を服用し、検査可能期間になったら性病検査を受けることをおすすめします。
性病予防薬(テトラサイクリン系抗生物質)のリスク・副作用に関して
- リスク・副作用
-
食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、下痢、口内炎、舌炎、発疹 等
参考:細菌性性感染症予防のためのドキシサイクリン曝露後予防法の使用に関する CDC 臨床ガイドライン
診察料(税込) | お薬代(税込) |
---|---|
性病治療薬やピルと同時処方の方限定/ 初診料無料 ※安心ほけんパックの場合、初診料がかかります 予防薬のみの処方の場合、初診料1,200円、再診料無料 |
【11月20日~12月20日までのキャンペーン】 1,500円/1回分(※3回分以上のセット購入) 2,000円/1回分(2錠) |
診察料(税込) |
---|
性病治療薬と同時処方の方限定/ 初診料無料 ※当クリニック、もしくは提携検査キットで陽性が判明し、性病治療薬と性病予防薬を同時処方する患者様限定(安心ほけんパックの場合、初診料がかかります) 初診料/ 1,200円 ※再診の患者様は無料 |
お薬代(税込) | |
---|---|
3回分以上の セット購入 1回分(2錠) |
【11月20日~12月20日までの キャンペーン】 1,500円 |
1回分(2錠) | 2,000円 |
予防薬を購入する
クラミジアの治療薬と治療期間
クラミジアの感染が確認されたら、薬(抗生物質)による薬物療法を行います。治療期間は1週間程度で、内服開始から3週間後の再検査で陰性が認められれば、完治となります。
再検査の結果が出るまでは、感染のリスクがある行為は控えましょう。パートナーからの再感染を防ぐために、パートナーと同時に検査を受けることも可能です。お心あたりの方は、気軽に天神マイケアクリニックにご相談ください。
クラミジア感染症の治療薬のリスク・副作用に関して
- リスク・副作用
- 下痢、腹痛、悪心、嘔吐、腹部不快感、腹部膨満、発疹、じんま疹、そう痒症、疼痛、好酸球数増加、ALT増加、カンジダ症 等
放置すれば自然治癒する?
クラミジアは自然治癒する感染症ではありません。風邪や他の病気で抗生物質を服薬した際に、一時的にクラミジアの増殖を抑える可能性はありますが、そのままにしておくと再び感染は広がり続けます。完治のためには、病院やクリニックで処方されるクラミジアの治療薬を服用し、再検査で陰性を確認してください。