毛じらみとは?
毛じらみ症とは、吸血性昆虫であるケジラミが人間の体毛に寄生して繁殖を行い、強い痒みを引き起こす性感染症です。
主に陰部(陰毛)に寄生しますが、脇毛や胸毛、髭、眉毛など毛がある部分であればどこでも感染します。稀に頭髪にも寄生しますが、一般的に知られている幼児や子どもに多いアタマジラミとは別の種類のシラミです。
寄生しても炎症が出ることはありませんが、痒みが出た部分(ケジラミ寄生部分)を掻きむしるために湿疹や傷ができる方も少なくありません。
毛じらみの原因・感染経路
- ・性行為
(陰毛をはじめとした体毛の直接接触) - ・脱衣所かごの共有
- ・タオルや寝具の共有
ケジラミの主な感染理由は、体毛が直接触れ合う回数が多い性行為ですが、タオルや寝具を介しての感染ケースもあります。ケジラミは人間から離れても48時間程度は生存しており、物を介しての感染はその間に起こります。
陰毛をはじめとした体毛に寄生するため、コンドーム装着は予防になりません。パートナーや家族が痒みを感じていり、体毛にグレーの粒状のもの(ケジラミの卵)が認められたりする場合は性行為を控え、タオルや寝具の共有も避けましょう。
毛じらみの潜伏期間
ケジラミに感染してから、痒みを感じるまでの期間は1~2カ月程度です。しかし、痒みの症状が出ていない間も、ケジラミは繁殖し続けます。
ケジラミの成長には大きく分けて卵、幼虫、成虫の3段階があります。毛に産み付けられた卵は約1週間後に孵化、幼虫の間も血を吸いながら脱皮を繰り返し、成虫となります。成虫は体長1.5~2.0mmほどで、メスは生涯のうちに1匹で30~40個程度の卵を産みます。
ケジラミの卵は灰色を帯びた白色で、接着面がセメントのような物質で毛に固定されているため、下着やボディタオルの擦れで簡単に剥がれ落ちることはありません。
毛じらみの卵は肉眼で見える?
ケジラミは卵・幼虫・成虫いずれも、目を凝らすと肉眼で確認できる程度の大きさです。しかし、ノミのように跳んだり跳ねたりせず、初期段階では痒みを感じない方が多いため、見落としてしまうことも少なくありません。
毛じらみの症状と見つけ方
- 身体の違和感
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- ・痒み
- ・掻いた箇所の痛み
- 見た目の違和感
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- ・体毛に灰色がかった粒状の卵
- ・下着に黒色点状のシミ
毛じらみ症の大きな特徴は、激しい痒みです。これは、ケジラミが吸血を行った際の唾液に対するアレルギー反応が原因と考えられています。
痒みは個人差があり、ケジラミ数匹の寄生で激しい痒みを感じる方がいる一方、数が増えてもそこまで痒みを感じない方もいます。しかし、症状に差があっても繁殖の多さに差異はないため、症状の有無に関わらず正しい治療が必要です。
見た目の特徴としては、体毛にケジラミの卵である灰色がかった楕円状のプツプツしたものが認められるほか、下着に黒や茶色の点状のシミの付着が挙げられます。これはケジラミが排泄した血糞で、稀に卵、幼虫および成虫が付く場合もあります。
毛じらみは放置すると自然治癒する?
ケジラミは放置する日数が多ければ多いほど、繁殖を繰り返して増え続け、自然にケジラミが消滅することはありません。また、放置は感染を広げる原因にもなるため、早期の治療が必要です。
毛じらみの治し方
- ・剃毛
- ・薬用シャンプー
- ・タオルや寝具の熱処理
(ドライクリーニングなど) - ・清潔な下着の着用
毛じらみ症の治療は、医師の指示のもと約1~2週間をかけて行います。治療は、ケジラミ駆除に効果がある薬剤が配合されたシャンプーを使用します。一般的なフケ・痒みを防ぐ薬用シャンプーではケジラミを駆除することはできません。
また、ケジラミ専用のシャンプーも、卵の殻で守られたケジラミには効かない可能性もあるため、孵化と成長のサイクルに合わせて1週間以上は継続的に使い続ける必要があります。
自己判断で、痒みを感じた部分のみの剃毛を行う方もいますが、剃毛によって行き場を失ったケジラミは、別の寄生場所を求めて近くの体毛に移動します。根本治療を行うためにも、まずはクリニックを受診しましょう。
天神マイケアクリニックで毛じらみの正しい治療法をお伝えします
ケジラミの潜伏期間は1~2カ月と長いため、1カ月前に性行為を行ったパートナーにも感染の可能性があります。お互いにうつし合わないためにも、同時の治療をおすすめします。
ケジラミは誤った治療を行うと、より感染範囲を広げるほか、思わぬ皮膚トラブルを招く原因になります。痒みが深刻化する前に、まずはクリニックをご受診ください。
また、ケジラミの感染経路は性行為が主なため、陰部に違和感がある場合は別の性感染症に感染している可能性も考えられます。天神マイケアクリニックでは、性行為で感染する性感染症の検査をまとめたセット検査も取り扱っています。気軽にご相談ください。