デリケートゾーン(陰部)で
繰り返すかゆみの原因は?
- ①感染症
- ②かぶれ
デリケートゾーン(陰部)のかゆみの原因は、大きく「感染症」と「かぶれ」の2つになります。
中でも、デリケートゾーンのかゆみの原因として、ここ数年増加しているのが、「性感染症」です。
①感染症
デリケートゾーンの感染症は、そのほとんどが「性感染症」になります。
性的交渉を通じ、細菌、ウイルス、真菌(カビ)などの病原体がデリケートゾーンに感染することで、デリケートゾーンのかゆみトラブルが起こるのです。
デリケートゾーンのかゆみの原因が性感染症である場合、自然治癒は難しいです。放置しておくとかゆみ以外の症状も悪化する恐れがあるため、必ず医療機関で検査するようにしましょう。
天神マイケアクリニックでは、匿名検査が可能です。個室もご用意していますので、プライバシーを心配される方も安心して検査が可能です。性感染症の不安がある方は、一度当クリニックまでご相談ください。
病名 | 原因と症状 |
---|---|
梅毒 |
梅毒トレポネーマという細菌による感染症です。 感染すると、陰部のかゆみやしこりから始まり、その後バラ疹と呼ばれる梅毒特有の赤い発疹が出現します。 さらに放置すると心臓や脳、血管や神経に至るまで影響を与え、心血管系梅毒、神経梅毒といった重篤な症状に進行します。 梅毒について |
クラミジア |
主に性的交渉によって「クラミジア・トラコマチス」という細菌に感染。 男性の場合、尿道炎による尿道のかゆみ、排尿痛などを起こす。 女性は自覚症状が少ないものの、おりものの増加、不正出血といった症状がみられることがある。 クラミジアについて |
淋菌感染症 |
主に性的交渉により「淋菌」に感染。 男性に強い症状が出るのが特徴で、尿道のかゆみや激しい排尿痛、多量の膿などの症状が現れる。 女性はほとんど無症状のことが多いが、外陰部のかゆみやおりもの異常などの症状が出ることがある。 淋菌感染症について |
トリコモナス |
「腟トリコモナス」という原虫が膣や膀胱に感染することで発症。 性的交渉による感染が多いが、感染力が強く、下着やタオル、便座、浴槽などを介してもうつることがある。 男性の場合はほとんどの場合が無症状。 女性の場合、膣や外陰部の強いかゆみや痛み、悪臭を発する泡状のおりものといった症状が現れる。 トリコモナスについて |
性器ヘルペス |
主に性的交渉により「単純ヘルペスウイルス(HSV)」に感染。 1~2mm程度の水ぶくれが性器にできるほか、腫れ、痛み、かゆみといった症状が現れる。 数日で水疱が破れて腫瘍ができ、発症から1週間前後で重症化。 全身に症状が現れ、高熱、歩行できないほどの激しい痛みで排尿が困難になることがある。 性器ヘルペスについて |
膣カンジダ |
体内の常在菌である「カンジダ菌」の異常増殖により、女性の膣に発症する感染症。 膣や外陰部に強いかゆみが出るほか、酒粕に似た形状のおりものが出る。 感染原因は抗生剤の長期服用、疲労・ストレスなどの体調不良がほとんどで、性的交渉がなくても発症する。 女性の5人に1人が膣カンジダを発症するといわれ、治療後も再発率が高い。 膣カンジダについて |
マイコプラズマ(性病) |
性的交渉を介し、「マイコプラズマ・ジェニタリウム」「マイコプラズマ・ホミニス」という細菌に感染。 男性の場合、性器周辺のかゆみ、排尿痛、膿といった症状が出る。 女性は感染しても無症状のことがほとんどだが、おりものの増加、子宮頸部の炎症といった症状が現れることがある。 マイコプラズマ(性病)について |
ウレアプラズマ |
性的交渉を介し、「ウレアプラズマ」という細菌に感染。 発症すると、男性は尿道や性器周辺のかゆみ、排尿痛、膿といった症状が現れる。 女性の場合、外陰部のかゆみやおりものの増加といった症状が出ることがあるが、ほとんどは感染後も無症状。 そのため感染したことに気づかない女性が多い。 ウレアプラズマについて |
毛じらみ |
寄生虫の「毛じらみ」に感染することで発症。 感染経路は性的交渉が多いが、タオルや家具の共有でも感染リスクがあり、家族内感染も多い。 毛じらみに感染してから約1~2か月後に、感染部位にかゆみが生じる。皮膚に発疹や赤みが出ないのが特徴。 毛じらみについて |
いんきんたむし |
水虫の原因である「白癬菌(はくせんきん)」というカビが股間で増殖することで起こる感染症。 性的交渉以外にもタオルの共有や共同浴場などでも感染リスクがある。 感染すると、股周辺に強いかゆみを伴う赤い発疹や水ぶくれができ、徐々に拡大していく。 |
- 梅毒
-
梅毒トレポネーマという細菌による感染症です。
感染すると、陰部のかゆみやしこりから始まり、その後バラ疹と呼ばれる梅毒特有の赤い発疹が出現します。
さらに放置すると心臓や脳、血管や神経に至るまで影響を与え、心血管系梅毒、神経梅毒といった重篤な症状に進行します。
梅毒について
- クラミジア
-
主に性的交渉によって「クラミジア・トラコマチス」という細菌に感染。
男性の場合、尿道炎による尿道のかゆみ、排尿痛などを起こす。
女性は自覚症状が少ないものの、おりものの増加、不正出血といった症状がみられることがある。
クラミジアについて
- 淋菌感染症
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主に性的交渉により「淋菌」に感染。
男性に強い症状が出るのが特徴で、尿道のかゆみや激しい排尿痛、多量の膿などの症状が現れる。
女性はほとんど無症状のことが多いが、外陰部のかゆみやおりもの異常などの症状が出ることがある。
淋菌感染症について
- トリコモナス
-
「腟トリコモナス」という原虫が膣や膀胱に感染することで発症。
性的交渉による感染が多いが、感染力が強く、下着やタオル、便座、浴槽などを介してもうつることがある。
男性の場合はほとんどの場合が無症状。
女性の場合、膣や外陰部の強いかゆみや痛み、悪臭を発する泡状のおりものといった症状が現れる。
トリコモナスについて
- 性器ヘルペス
-
主に性的交渉により「単純ヘルペスウイルス(HSV)」に感染。
1~2mm程度の水ぶくれが性器にできるほか、腫れ、痛み、かゆみといった症状が現れる。
数日で水疱が破れて腫瘍ができ、発症から1週間前後で重症化。
全身に症状が現れ、高熱、歩行できないほどの激しい痛みで排尿が困難になることがある。
性器ヘルペスについて
- 膣カンジダ
-
体内の常在菌である「カンジダ菌」の異常増殖により、女性の膣に発症する感染症。
膣や外陰部に強いかゆみが出るほか、酒粕に似た形状のおりものが出る。
感染原因は抗生剤の長期服用、疲労・ストレスなどの体調不良がほとんどで、性的交渉がなくても発症する。
女性の5人に1人が膣カンジダを発症するといわれ、治療後も再発率が高い。
膣カンジダについて
- マイコプラズマ(性病)
-
性的交渉を介し、「マイコプラズマ・ジェニタリウム」「マイコプラズマ・ホミニス」という細菌に感染。
男性の場合、性器周辺のかゆみ、排尿痛、膿といった症状が出る。
女性は感染しても無症状のことがほとんどだが、おりものの増加、子宮頸部の炎症といった症状が現れることがある。
マイコプラズマ(性病)
について
- ウレアプラズマ
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性的交渉を介し、「ウレアプラズマ」という細菌に感染。
発症すると、男性は尿道や性器周辺のかゆみ、排尿痛、膿といった症状が現れる。
女性の場合、外陰部のかゆみやおりものの増加といった症状が出ることがあるが、ほとんどは感染後も無症状。
そのため感染したことに気づかない女性が多い。
ウレアプラズマについて
- 毛じらみ
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寄生虫の「毛じらみ」に感染することで発症。
感染経路は性的交渉が多いが、タオルや家具の共有でも感染リスクがあり、家族内感染も多い。
毛じらみに感染してから約1~2か月後に、感染部位にかゆみが生じる。皮膚に発疹や赤みが出ないのが特徴。
毛じらみについて
- いんきんたむし
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水虫の原因である「白癬菌(はくせんきん)」というカビが股間で増殖することで起こる感染症。
性的交渉以外にもタオルの共有や共同浴場などでも感染リスクがある。
感染すると、股周辺に強いかゆみを伴う赤い発疹や水ぶくれができ、徐々に拡大していく。
②かぶれ
デリケートゾーン(陰部)のかゆみは、性感染症以外にかぶれ(接触皮膚炎)が原因となっていることがあります。
かぶれが起こる原因は、皮膚への外的な刺激です。デリケートゾーンの蒸れや下着の締め付け、肌に合わない物質によるアレルギー反応といったものが、原因として考えられます。
特に女性の場合は、生理用ナプキン、おりものシートやタンポンの使用が原因で、デリケートゾーンのかぶれ、かゆみが起こるケースが数多くあります。男性も、コンドームの材質が肌に合わず、アレルギーを起こしてかぶれによるかゆみが生じることがあります。
かぶれが原因の場合、セルフケアでかゆみを改善できる可能性はありますが、誤った方法で処置すれば、かえって症状が悪化する恐れもあります。
原因の特定のためにも、医療機関で検査することが推奨されます。
デリケートゾーン(陰部)の
かゆみ、感染症チェック
こんなお悩みをお持ちの方へ
- デリケートゾーンにかゆみがある
- かゆみ以外に、性器やその周辺に赤みや水ぶくれ、イボなどがある
- かゆみ以外に、排尿時に痛みを感じる
- かゆみ以外に、尿道から膿が出る
- かゆみ以外に、おりものの量や見た目に変化がある
上記に該当するものがある場合、デリケートゾーンのかゆみの原因は、かぶれ(接触皮膚炎)ではなく感染症の可能性があります。
天神マイケアクリニックでは、患者様のプライバシーを守るため、個室での匿名検査を承っております。お悩みの方は、一度当クリニックまでご相談ください。
夜だけ陰部のかゆみが強くなる?
「夜だけデリケートゾーンのかゆみが強くなる」とお悩みの方が少なくありません。
夜になるとかゆみが強くなる原因はさまざま考えられますが、代表的なものは次の通りです。
- 熱いお風呂に入っている
- 入浴中に過度に洗いすぎている
- 布団に入って体温が上がる
入浴で熱いお湯につかったり過剰に洗いすぎたりすると、皮脂が必要以上に失われ肌が乾燥し、かゆみが増す原因になってしまいます。
また就寝時に布団に入って体温が上がると、身体から水分が蒸発して皮膚が乾燥し、かゆみが増してしまうことがあります。
これ以外にも、ストレスが原因で自律神経が乱れると、かゆみの原因物質である「ヒスタミン」が過剰に分泌され、かゆみが強くなる可能性が高いです。
陰部のかゆみで皮膚がボロボロに?
デリケートゾーンのかゆみを放置していると、性器周辺の皮膚がボロボロに荒れてしまうことがあります。
特に、セルフケアのつもりで、入浴時にデリケートゾーンを洗いすぎてしまうと、皮脂や常在菌を洗い流してしまい、かゆみがさらに悪化する恐れがあるので注意が必要です。
おりもののないデリケートゾーン
(陰部)のかゆみは?
デリケートゾーンにかゆみにお悩みの女性の中には、「おりものに異常はないから、多分大丈夫」と病院に行かず、セルフケアで対処しようとする方が少なくありません。
しかし、ご自分で判断してしまうのは危険です。デリケートゾーンのかゆみは、何らかの病気のサインである可能性があります。不安を感じたら、一度医療機関で検査してみることをおすすめします。
更年期障害でデリケートゾーンに
かゆみが出る?
更年期を迎えた女性の中には、デリケートゾーンの慢性的なかゆみにお悩みの方が数多くいらっしゃいます。
女性ホルモンの減少に伴いおりものや粘液が減って膣の自浄作用が弱まるため、デリケートゾーンが乾燥しがちになり、かゆみが慢性化しやすいのです。
このような症状にお悩みの方は、ホルモン補充療法などが行える婦人科にご相談ください。
妊娠中のデリケートゾーンのかゆみは、
膣カンジダが原因?
妊娠中の女性は、デリケートゾーンのかゆみの原因となる「膣カンジダ」を繰り返し発症する可能性があります。
特に、出産時に膣カンジダの症状が強いと、新生児に皮膚炎が起こる恐れがあるため、注意が必要です。
しかし、「妊娠中のデリケートゾーンのかゆみ」の原因がすべて膣カンジダであるとは限りません。検査してみると、膣カンジダではないケースも多々あります。
正しい治療を行うためにも、症状が現れたら速やかに医療機関にご相談ください。
かきむしるのNG!デリケートゾーン(陰部)のかゆみ対処
デリケートゾーンのかゆみを抑える方法として、代表的なものは、「市販薬の使用」と「医療機関での検査・治療」が挙げられます。
①市販薬
現在、デリケートゾーンのかゆみを抑える市販薬が数多く販売されています。中でも「抗ヒスタミン成分」が配合されたものは、かゆみの抑制効果が期待できます。
市販薬の場合、膣カンジダの再発を予防する軟膏剤(クリーム)や錠剤など、女性用が多くなっていますが、男性用も、陰茎や陰のうの湿疹に効果がある市販薬があります。
②医療機関での検査・治療
デリケートゾーンのかゆみで、もっとも推奨される対処方法は、医療機関での検査・治療です。きちんと検査することで、その症状に対し適切な治療を進められるからです。
症状に応じて、皮膚科、泌尿器科、性病科などに一度ご相談ください。
感染症が疑われる場合は、天神マイケアクリニックにご相談ください。感染症の専門医が顧問を務める当クリニックでは、匿名検査が可能。検査の結果感染症であることがわかれば、すぐに治療を開始できます。
セルフケアで陰部のかゆみが治った?
デリケートゾーンのかゆみの場合、「相談するのが恥ずかしい」という思いから、病院に行かず一人で治そうとする方が多くいらっしゃいます。
ただ、セルフケアに一定の効果がある可能性はありますが、根本的な改善につながらない恐れがあります。
特に、デリケートゾーンのかゆみが一時的に改善しても、その後繰り返し出るような場合は、一度医療機関にご相談ください。
デリケートゾーン(陰部)のかゆみにステロイドはOK?
かゆみや皮膚炎の市販薬の中には、ステロイド成分の入った外用薬があります。しかし、デリケートゾーンはステロイド成分の吸収率が高いため、デリケートゾーンのかゆみに対しては、非ステロイド薬が推奨されます。
必ずしも「デリケートゾーンにステロイドはNG」というわけではありませんが、使用の際には、一度医師に相談してみましょう。
デリケートゾーン(陰部)のかゆみにオロナインは効く?
オロナインはあかぎれ、しもやけ、ひび、ニキビ、すりきず、きりきず、水虫、軽いやけどなどに効果があるとされる外用薬です。ただ、湿疹(ただれ、かぶれ)への使用はできません。
またデリケートゾーンの、特に粘膜への使用は薬剤吸収率が高く、じんましんや動悸などのアナフィラキシーショックを起こす可能性も否定できないため、使用は推奨できません。
デリケートゾーンのかゆみを感じたら、医療機関での検査を検討してください。
デリケートゾーン(陰部)のかゆみにワセリンは効く?
ワセリンにかゆみを抑える有効成分は含まれていませんが、ワセリンを塗ることで皮膚の水分を保持し、肌の乾燥を防ぐ効果が期待できます。もちろんワセリン以外の保湿剤でも、同様の効果が見込めます。
ただ、粘膜への塗布は避けてください。またワセリンを塗ってもデリケートゾーンのかゆみが改善されない場合は、かぶれ以外の原因が考えられるため、医療機関にご相談ください。
陰部のかゆみが辛くても
かきむしるのは厳禁!
人によっては「夜眠ることができない」と訴えるほど猛烈なかゆみがデリケートゾーンに出ることがあります。
これくらい辛いかゆみになると、どうしても患部を強くかきむしりたくなりますが、これは厳禁です。強くかけばかくほど、皮膚の炎症が悪化しかゆみが改善しない恐れがあります。
医療機関では、患部のかゆみを抑える薬と一緒に、睡眠導入剤などを処方する場合があります。
つらいかゆみでお悩みの方は、まずは医療機関にご相談ください。
病院に行くべきデリケートゾーン(陰部)のかゆみ
デリケートゾーンのかゆみの原因が、性感染症である疑いがある方は、たとえ症状が軽くとも、かならず性病科や泌尿器科で検査してください。
かゆみ以外に尿道炎、排尿痛、膿、おりもの異常などの症状がみられた場合は、感染症の疑いがあります。放置すれば病気が悪化しますし、症状が軽くても他人にうつす恐れがあります。
またかぶれが原因である場合も、皮膚の炎症が酷い場合は、一度皮膚科にご相談ください。