①亀頭のぶつぶつの原因
亀頭のぶつぶつは、見た目にインパクトがあるため、悩みが深くなりがちです。亀頭のぶつぶつには、性感染症によるものと、性感染症ではなく生まれつきのもので様子をみても良いケースがありますが、見分けがつきにくいものがほとんどです。
インターネットで調べると多くの症例がありますが、自己判断せずクリニックに相談しましょう。
様子見でも良いケース
様子見でも良いケースとして、下記の4つの症状が挙げられます。
- ・フォアダイス
- ・真珠様陰茎小丘疹
- ・包皮腺
- ・光沢苔癬
真珠様陰茎小丘疹や包皮腺は、フォアダイスとしてまとめて表される場合もあります。これらのケースは生まれつきの方もおり、危険な疾患ではありません。
症状の見た目から交際相手に誤解されることもあり、レーザー治療で切除される方もいます。
治療が必要なケース
一方で専門的な治療が必要なケースもあります。
- ・性器ヘルペス
- ・尖圭コンジローマ
これらの疾患は性感染症といわれており、放置してしまうと症状が進行してしまい、治癒に時間がかかることも多いです。
男性の性感染症は、感染しても症状が強く出現しない場合、治療の開始が遅れてしまう事例が急増しています。自分だけでなくパートナーへ感染を拡げてしまうため、症状に気づいた段階で早めにクリニックを受診しましょう。
包茎が原因のケース
上記の症状は包茎が原因で発症する可能性もあります。
包茎の状態では、包皮と亀頭の間に環境が湿潤で密閉されるため、細菌や真菌の繁殖が促進されます。
特に仮性包茎や真性包茎の場合、清潔に保つことが難しく、細菌や真菌が増えると亀頭に炎症が生じることがあります。この炎症は亀頭や包皮にブツブツや発疹として現れることが多く、かゆみや痛みを伴うこともあります。
くり返し症状が出る場合等は、包茎治療の検討もおすすめしております。
②亀頭の色が赤い原因
亀頭の色が赤く変化する疾患は、下記のものがあります。
- ・亀頭包皮炎
- ・接触性皮膚炎
亀頭包皮炎は、亀頭や包皮に赤みやただれといった炎症が起きている状態です。炎症に痛みが伴うこともあります。放っておくと症状が悪化し、治癒に時間がかかってしまう疾患です。
接触性皮膚炎は、アレルギー性のものや刺激によるものが考えられます。
③亀頭の色が白い原因
亀頭の色が白くなる原因として考えられる疾患は、下記のものがあります。
- ・閉塞性乾燥性亀頭炎
- ・性器カンジダ
閉塞性乾燥性亀頭炎は、亀頭部が乾燥し、硬くなる症状が一般的です。硬化した部分に激しいかゆみやほてり感が出現します。性器カンジダは、カビ菌が亀頭に付着・増殖することで白く見えることがあります。
亀頭の病気と治療薬
亀頭に起こる変化のうち、下記3つの性感染症はしっかり治療し完治を目指しましょう。完治しないままでは、パートナーへの感染や再発のリスクが高まるからです。
ここでは、性感染症の症状や治療、使用される治療薬について詳しく解説します。
①尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマの症状と治療方法は以下です。
症状 |
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治療 |
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尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することによって引き起こされる性感染症です。
ヒトパピローマウイルスは150種類以上あり、その中でも特定の型(6型、11型)のウイルスに感染すると、尖圭コンジローマが発症します。
性行為で感染するため、性器周辺の病変が多いですが、オーラルセックスによる感染も確認されており、舌や口腔内にイボが出現する可能性もあります。
イボは表面だけでなく、肛門の内側に出現することも少なくありません。
尖圭コンジローマは、イボを取り除いてもウイルスが残存している確立が高く、治療後2〜3カ月で再発する方もいます。
処方された薬は医師の指示通りに使用し、必ず許可があるまで通院するようにしましょう。
②性器ヘルペス
性器ヘルペスの症状と治療方法は以下です。
症状 |
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治療 |
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性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)に感染することで引き起こされる性感染症です。このウイルスは非常に感染力が高く、性交渉だけでなく、ウイルスが付着したタオルを使用しただけでも感染するケースがあります。
ウイルスに感染した直後に症状が出現する場合と感染後一定期間潜伏し発症することがあります。ウイルスに感染した直後に症状が出現することがほとんどです。ウイルスは治療によって不活化し、2回目以降は体内にウイルスは存在するものの、日常生活においては症状が出現しない場合もあります。
過労やストレス・性交渉など、免疫力の低下や刺激によって再び活動状態となり、症状が出現(再発)しやすくなります。
再発した場合、症状が極軽度な場合も多く、6~7割の方は症状に気が付かないことも少なくありません。治療はウイルスが増殖している時期が効果的であることから、少しでも症状が出現したらかかりつけ医に相談してください。
症状が出現している間は性交渉を控え、普段からコンドームの着用を心がけましょう。
③亀頭包皮炎
亀頭包皮炎の症状と治療方法は以下です。
症状 |
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治療 |
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亀頭包皮炎は、亀頭や亀頭を覆っている包皮に細菌や真菌(カビ)が付着し、炎症を起こす感染症です。
性器への刺激や乾燥などで皮膚のバリア機能が低下している場合には、特に炎症が起こりやすいとされています。細菌や真菌が単体で感染していることもありますが、混合型の感染も考えられます。
痛みやかゆみを伴い、色の変化もあることから、ついついしっかり洗わなければと考え洗いすぎてしまう方が多いのですが、洗いすぎが原因で乾燥すると逆効果となる場合もあります。
炎症が起きたら、患部をあまり刺激しないよう配慮したうえで、病院を受診してください。
治療は細菌性か真菌性かによって異なりますが、治療を初めて数日で症状が改善する方がほとんどです。どちらの場合も、今ある症状を鎮めるために、弱めのステロイドが処方される場合があります。