女性の陰部のできもの・しこり
とは?
女性の陰部=外性器は、複雑な形状をしており、粘膜、分泌腺などが非常に多い部位です。陰部は、排泄や性行為などで、特に不衛生な環境になりやすく、できものやしこりができやすい部位でもあります。デリケートゾーンともいわれており、皮膚や粘膜が傷つきやすく、菌が入り込みやすいため、注意が必要です。
陰部のできもの・しこりが痛いとき
陰部のできものやしこりが痛むときに考えられる原因は、下記です。
- ・性器ヘルペス
- ・バルトリン腺腫瘍
- ・毛包炎(毛嚢炎)
- など
特に性器ヘルペスの初感染時は、症状が強い傾向があります。外陰部に激しい痛みを伴う水疱(水ぶくれ)ができ、潰瘍を形成。排尿痛や発熱、頭痛などを伴うケースが多いです。
膣の入口の左右にあり、エンドウ豆ほどの大きさがあるバルトリン腺。開口部が詰まり、分泌液が溜まってしまうとバルトリン腺嚢胞が起こります。バルトリン腺嚢胞の炎症が進んで起こる、バルトリン腺膿疱も痛みを伴うできものです。
毛包炎は、毛穴の奥にある毛根を包む毛包に起こる炎症で、発症すると赤みのある発疹や、膿を持った膿疱が起こります。痛みの程度としては、軽度なことが多いですが、うずくような痛みと例えられることが多いです。
陰部のできもの・しこりが
痛くないとき
痛くない陰部のできものやしこりの原因は、下記です。
- ・尖圭コンジローマ
- ・梅毒
- など
尖圭コンジローマのできもの=イボには、痛みも痒みもありません。また、第1期梅毒で感染部位に現れる硬いしこりの初期硬結(しょきこうけつ)も痛みを伴わないできものです。どちらも痛みや痒みがないのが特徴で、感染していることに気づきにくくなっています。
陰部のできもの・しこりの原因 画像あり
性感染症でできるできものやしこりは、オーラルセックスなどを含む多様な性行為が原因です。お口の中である口腔に感染する性病も多く、キスでうつる可能性もあります。ここからは、デリケートゾーンにできものやしこりを生じさせる感染症について、女性の陰部のできものの症例写真と共に見ていきましょう。
バルトリン腺嚢胞
バルトリン腺嚢胞は、女性の腟の入口近くにあるバルトリン腺が詰まることで生じる嚢胞です。バルトリン腺は性交時の潤滑を助ける液体を分泌する役割がありますが、この腺の出口が何らかの原因で塞がれると、分泌液がたまり、腫れや嚢胞を形成します。
バルトリン腺嚢胞は通常は痛みを伴わないことが多いですが、感染して膿を持った場合(膿瘍)、非常に痛みを感じることがあります。
バルトリン腺嚢胞と性感染症は見分けがつきにくいこともあります。クラミジア、淋菌など、特定の感染症は腫れや痛みを伴うこともありますので、一度性感染症の検査を受けることをおすすめいたします。
性器ヘルペス
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)1型、2型を原因菌として感染する性感染症です。以前は、口唇ヘルペスは1型、性器ヘルペスは2型とウイルスの型を分けるとしてきましたが、オーラルセックスなど、性行為の多様化によって、この境目がなくなってきました。
単純ヘルペスウイルスに一度でも感染すると神経節(しんけいせつ)にウイルスが潜伏するため、体内からウイルスを完全に排除することはできません。そのため、免疫力が下がると、再発を繰り返します。
潜伏期間 |
3日~7日程度 | |
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症状 |
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特に初感染時は症状が強く、感染部位に激しい痛みを伴う水疱が現れます。再発時は、初期に患部のむずがゆさを感じ、やがて水疱ができるといった症状を呈します。
性器ヘルペスの治療方法は薬物療法で、内服薬・外用薬があります。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)6型、11型などが原因菌として感染する性感染症です。ヒトパピローマウイルスは、性行為によって感染するウイルスで、子宮頸がんの原因にもなります。
尖圭コンジローマに感染すると、痛みや痒みがない特徴的なイボができ始めます。イボの形状は、カリフラワー状、ニワトリのトサカ状と表現されることが多く、放置するとイボが大きくなり、数が増殖していくので注意が必要です。
尖圭コンジローマの治療方法は、外科療法と薬物療法となっています。
潜伏期間 |
3週間~8カ月程度 | |
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症状 |
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ウイルスの潜伏期間が3週間から8カ月と長いため、感染に気づかず、本人も知らないうちに感染を広めている可能性があるため、注意が必要です。
くわしく見る
梅毒
梅毒は、梅毒トレポネーマを原因菌とする性感染症です。精液や膣からの分泌液、血液などの体液に含まれる梅毒トレポネーマは、粘膜や皮膚に接触することで感染します。近年、日本国内の感染者数が増加しており、再注目を集めている感染症です。
梅毒の1期に現れる初期硬結(しょきこうけつ)と呼ばれるできものが特徴的な症状で、感染部位に硬いしこりが発症します。
潜伏期間 |
3週間~6週間程度 | |
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症状 |
【梅毒1期】
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梅毒の治療方法は、薬物療法です。なお、梅毒は一度でも感染すると、体内に梅毒の抗体が残存し続け、薬物療法によって完治した後も、TP抗原法という検査では陽性反応が出ます。
昔は、死に至る病として恐れられていましたが、医療の発達によって、重篤な状態に陥ることはなくなりました。しかし、自覚症状のない「無症候性梅毒」患者数がかなりいると考えられ、今後は3期梅毒患者数も増加する可能性があります。
毛包炎
毛包炎は、毛穴(毛包)の周囲が炎症を起こす状態で、性器にも発生することがあります。これは一般的に、毛が成長する際に皮膚の中に埋もれる「埋没毛」や、細菌の感染によって引き起こされるとが多いです。
毛包炎は赤み、腫れ、痛みを伴い、ときには膿を持つこともあります。薬局などに販売している抗炎症薬で改善する場合が多いですが、症状が持続する場合は医療機関での診断と治療が必要です。
粉瘤(アテローム)
性器の粉瘤は、皮脂腺の出口が何らかの理由で塞がれることによって皮脂が皮膚の下に溜まり、袋状に膨らんで形成されます。性器の粉瘤は通常、痛みを伴わない小さなしこりとして感じられますが、感染を起こすと赤く腫れ上がり、痛みや発熱を伴うこともあります。繰り返し炎症を起こす場合は医療機関での診断と治療が必要です。
【福岡】天神マイケアクリニックの
できもの検査と治療薬
天神マイケアクリニックは、陰部のできものやしこりの原因疾患を調べる検査を行っています。検査で原因が分かったら、すぐに治療を行うことが可能です。陰部のできものやしこりは、性行為によって他人にうつしてしまうものもあり、早期発見・早期治療が求められます。
当クリニックで行っている
できもの検査
天神マイケアクリニックで行っている、陰部のできものの検査は下記の通りです。
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6項目できもの診察(視診)3,500円
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できもの等の症状が似た
疾患の鑑別診断を行います。 -
- 検査項目
- 梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、ケジラミ、性器伝染性軟属種(ミズイボ)、疥癬
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- 検査方法
- 視診
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- 検査時期
- 性器や身体の皮膚にできもの・湿疹などの症状が出ている方が対象です。
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- 検査結果
- その場でお伝え
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1項目梅毒検査(TPのみ)1,900円
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感染の機会から6週間
経過した方におすすめです。(TPのみ) -
- 検査項目
- 梅毒
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- 検査方法
- 血液
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- 検査時期
- 感染の機会から6週間経過すれば受けられます。
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- 検査結果
- 4~5日後(Web確認可)
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当クリニックで処方している
できもの治療薬
性器ヘルペス |
バラシクロビル |
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尖圭コンジローマ |
ベセルナクリーム |
梅毒 |
サワシリン |
毛包炎(毛嚢炎) |
ゲンタシン軟膏 |
天神マイケアクリニックは、できものやしこりの原因となる幅広い感染症の治療を行っています。当クリニックの治療は、下記の薬剤で実施しているので、参考になさってください。なお、患者様の薬剤アレルギーや治療歴によって、使用する薬剤は変化する可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。
梅毒の場合、下記方法で治療可能です。
梅毒治療の料金 | |
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梅毒治療 ※オンライン診療不可
抗生剤を処方
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17,000円/4週間分 10%OFF 15,300円 |
梅毒治療 ※オンライン診療不可
筋肉注射(ステルイズ)
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22,000円/1回分 10%OFF 19,800円 |