「陰部(性器)が痛い」
考えられる要因
■陰部痛の原因
- 男性の原因疾患
-
- ・尿道炎
- ・急性陰嚢症(陰嚢内の炎症や病気)
- ・外陰部の炎症
- 女性の原因疾患
-
- ・尿道炎
- ・膣炎
- ・子宮頸管炎
- ・外陰部の炎症
思わぬ事故や転倒で打ち付けた、剃毛の際に剃刀で誤って切ってしまったなどの心当たりがないにも関わらず陰部が痛む場合は、病気のほかにウイルスや細菌感染による炎症の可能性が高いです。
男女共通で陰部の痛みの原因として考えられる外陰部の炎症は、感染症に多く見られる症状で、悪い影響を及ぼす細菌・ウイルスが体内に侵入したために現れます。
炎症は腫れやプツプツとしたできもののほか、赤くただれてヒリヒリとした痛みをもたらしたり、排尿時に染みるようなツーンとした痛みを引き起こしたりします。炎症による痛みが緩和して治ったように見えても、実際は体内に潜伏し続け、再発の機会を狙う細菌・ウイルスも存在するため、感染の有無の確認と、早めの治療が必要です。
男女共有疾患のもう一つである尿道炎は、放置すると細菌やウイルスが膀胱や腎臓に拡大し、合併症を引き起こすリスクがあります。尿道に痛みや痒みを感じている方は、こちらもご確認ください。
尿道の痛み・痒み・膿をともなう感染症についてなぜ男性の陰部が痛くなるの?
男性の陰部の痛みを引き起こす要因は、以下の3つが考えられます。
痛みを引き起こす要因
- 擦れや圧迫
-
- ・タイトな下着の着用による擦れ
- ・長時間の座り続け
- など
- 病気
-
- ・慢性前立腺炎
- ・急性陰嚢症
- など
- 感染症
-
- ・クラミジア感染症
- ・淋菌感染症
- ・トリコモナス症
- ・性器ヘルペス
- など
男性器は陰茎と陰嚢(いんのう)が外に突出しているため、陰部への刺激をダイレクトに受けやすい部位です。例えば、タイトな下着の着用による擦れ、デスクワークや運転での長時間の座り続けも、痛みにつながる可能性があります。
男性の陰部が痛む病気には、原因がはっきりと分かっていない慢性前立腺炎のほか、突然の痛みを引き起こす急性陰嚢症などが挙げられます。
慢性前立腺炎は、骨盤内の血流不全が症状を悪化させるため、長時間の同じ姿勢や飲酒、刺激物の摂取を避ける必要があります。また、急性の陰嚢の痛みの中に、精索捻転症という病気があります。この病気は放置すると精巣が壊死してしまうことがありますので、陰嚢の痛みの場合はできるだけ早く専門の泌尿器科を受診することをおすすめします。
感染症による痛みの場合は、表面に炎症が広がるほか、見た目に変化がなくても排尿の違和感や痛みを伴うケースが多くあります。ご自身での診断は難しいため、もしかして性病かも?と不安を感じたら、天神マイケアクリニックにて、ほとんどの感染症を一括でチェックできる「安心フルチェック」や「メンズパーフェクトチェック」をご利用ください。
なぜ女性の陰部が痛くなるの?
女性の陰部の痛みを引き起こす要因は、以下の3つが考えられます。
痛みを引き起こす要因
- 擦れやかぶれ
-
- ・ナプキンやおりものシートによるかぶれ
- ・アレルギー反応
- など
- 傷や病気
-
- ・月経困難症
- ・子宮内膜症
- ・会陰切開の傷
- ・膣萎縮
- ・子宮下垂
- ・子宮脱
- など
- 感染症
-
- ・クラミジア感染症
- ・淋菌感染症
- ・膣トリコモナス
- ・性器ヘルペス
- ・マイコプラズマ
- ・ウレアプラズマ
- など
月経(生理)中にショーツに当てるナプキンは、蒸れやすいだけでなく、陰部にかぶれを起こしてヒリヒリとした痛みを起こすことがあります。また、下着や生理用品、避妊具に使われる素材でアレルギー反応を起こし、陰部に痛みや違和感を覚える方も少なくありません。
女性の陰部の痛みは、月経困難症・子宮内膜症など月経にまつわるトラブルのほか、分娩時に会陰(えいん)が裂けてしまったり、加齢による膣の萎縮や子宮を支える筋肉が緩んで子宮下垂・子宮脱が起こったりした可能性が考えられます。
感染症による痛みは、おりものや炎症の増加とともに起こるケースが多く、放置するとびらん(皮膚や粘膜の表皮がはがれて、真皮層が露出している状態)や、さらに悪化すると潰瘍につながります。一時的に症状が治まったとしても、再発の可能性は大いにあるため、早期の感染確認と治療が必要です。
陰部痛の原因となる感染症
陰部の痛み、と一言でいっても症状が現れる部位はさまざまです。外陰部だけに症状が出ていても、感染は内部に広がっている可能性もあります。
以下では、陰部の痛みを引き起こす原因として考えられる感染症について解説します。
原因① 性器クラミジア感染症
潜伏期間 |
1~3週間前後 | |
---|---|---|
原因と症状 |
【男性】 |
【女性】 |
クラミジア感染症の原因菌であるクラミジア・トラコマティスは、日本の性感染症の中でもっとも感染者数が多く、オーラルセックスによって喉にも感染する細菌です。1回の性行為における感染確率は30~50%といわれています。
感染しても半数以上が無症状なため、感染に気づかずパートナーに感染させてしまう例が多く見られる性病です。しかし、潜伏期間内でも相手に感染させるリスクがあり、無症状でも感染は体内で広がり続けます。
女性の場合、痛みの症状は腟や尿道、骨盤内、下腹部、上腹部と徐々に広がっていき、クラミジアが肝臓の表面で炎症を起こすとさらに激しい痛みを生じることもあります。男性よりも女性の方が深刻化しやすいですが、男性全員が軽症状で済むわけではありません。男性の場合は、悪化すると睾丸から鼠径部にかけて激痛が起こり、高熱が続きます。
放置するとHIVをはじめとした他の性感染症への感染リスクが高まるだけでなく、精子を輸送する精細管に及ぶと不妊症に発展するため、感染の可能性がある場合は、すぐに検査を受けることが大切です。パートナーがいる場合は、お互いにうつし合って再発する(ピンポン感染)ことを防ぐため、パートナーと同時の検査・治療をおすすめします。
原因② 淋菌感染症(淋病)
潜伏期間 |
2~7日前後 | |
---|---|---|
原因と症状 |
【男性】 |
【女性】 |
淋菌感染症(淋病)は、クラミジアと並んで感染者数の多い性感染症です。感染経路は性行為やオーラルセックスで、1回の性行為における感染確率は30~50%と高いですが、原因となる淋菌は感染者の粘膜から離れると感染力を失うため、タオルや風呂場の床・椅子から感染する確率は非常に稀です。
男性は尿道から膿が出たり、強い排尿痛が起こったりするため感染に気が付きやすいですが、女性は感染初期の症状がないケースが多く、子宮や腹膜など下腹部に痛みが出てから感染に気付くことがあります。
自然治癒はせず、そのままにしておくと男女どちらも不妊症のリスクが上昇します。妊娠中に淋病を患った場合は、早産や流産を引き起こす可能性があるほか、出産中に母子感染して新生児の命に関わる状態になることもあります。
淋病はクラミジアと同時に感染しているケースが多いため、ご不安な方は天神マイケアクリニックで行っているクラミジアと淋菌のセット検査をご利用ください。
原因③ トリコモナス症
潜伏期間 |
10日前後 | |
---|---|---|
原因と症状 |
【男性】 |
【女性】 |
トリコモナス症は、肉眼で見ることができないほどの小さな「トリコモナス原虫(単細胞の微生物)」が性器内に入り込んで炎症を起こす性感染症です。
性行為が主な感染経路ですが、下着やタオルなどの衣類、便座や浴槽を介しても感染するため、まれに性行為の経験がない子どもに発症することもあります。
男女で寄生部分が異なり、男性の場合は前立腺や精嚢、尿道に。女性の場合は、膣内や子宮頸管、膀胱、尿道に寄生します。
放置しても完治することがありませんが、正しい治療を行えば死滅させられるため、早期検査と治療で重症化のリスク大きく下げることが可能です。
原因④ 性器ヘルペスウイルス感染症
潜伏期間 |
約2~10日 | |
---|---|---|
原因と症状 |
【男性】 |
【女性】 |
性器ヘルペスウイルス感染症は、感染力が非常に強く、性器や肛門、お尻や太ももにできる痛みや痒みを伴う水疱(水ぶくれ)の症状が特徴です。
原因となる単純ヘルペスウイルス(HSV)は、キスや頬ずり、オーラルセックスを含む性行為、タオルや食器、洋式の便座の共有でも感染します。
初めての感染で発症する場合、症状が強く出るケースが多く、性器の痛みだけでなく発熱や全身の倦怠感、リンパ節の腫れが起こります。ヘルペスウイルスに一度感染すると、症状が治まっても体内で潜伏を続け、疲れやストレスで免疫力が低下した際に、再発を繰り返します。
治療で使われる抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑える薬のため、症状の予兆であるピリピリ感を感じた際や、炎症が出た直後に服用することで高い効果を発揮します。天神マイケアクリニックは、再発抑制のお薬処方も可能です。ぜひご利用ください。
原因⑤ その他の感染症(マイコプラズマ/ウレアプラズマほか)
①~④で解説した以外も、症状や体質によって尿道痛、排尿痛、性交痛を引き起こす可能性がある感染症は存在します。性感染症は、複数種同時に感染する可能性もあるため自己判断での診断が難しく、誤った薬の服用で症状を悪化させてしまったり、治療を遅らせたりする要因になります。
ほとんどの感染症は放置しても自然治癒することはなく、症状が現れていない間も感染が広がってパートナーへの感染や不妊症のリスクを高めます。
いずれの感染症も、天神マイケアクリニックが処方する薬の服用によって3日~10日程度で症状が治まるほか、必要に応じて専門のクリニック・病院をご紹介しています。
性感染症は早期の治療が大切です。痛みがなかったとしても、違和感や痒みを感じたら、一度検査を受けに当クリニックにご来院ください。
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