ウレアプラズマとは
ウレアプラズマとは「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」を引き起こす細菌の一種です。
尿道炎を引き起こす性感染症と言えば、これまでは「クラミジア」や「淋菌」が主な原因でしたが、最近はウレアプラズマ、マイコプラズマ(性病)による非クラミジア性非淋菌性尿道炎が増加しています。
ウレアプラズマと呼ばれる細菌は、数多くの種類が存在します。この中で性感染症の原因となるのは、以下の2種類です。
- ウレアプラズマ・パルバム
- ウレアプラズマ・ウレアリチカム
心当たりがない?ウレアプラズマの原因と感染経路
ウレアプラズマの感染経路は、主に性的交渉です。キスを含む性行為を通じ、細菌が粘膜と接触することで感染します。
ウレアプラズマの感染経路は、主に性的交渉です。キスを含む性行為を通じ、細菌が粘膜と接触することで感染します。
- 性交渉/オーラルセックス
- キス
ウレアプラズマの感染率
ウレアプラズマは、一回の性的行為でおおよそ30~50%の確率で感染すると考えられます。
感染率が高い一方で、自覚症状が出ない人も少なくないため、自分が感染していると気づかず、パートナーをはじめ、他人に感染させてしまう方が数多くいらっしゃいます。
ウレアプラズマはお風呂でうつる?
ウレアプラズマは細菌が粘膜に接触することで感染します。
そのため、入浴中に感染部位に触るようなことがなければ、基本的に入浴での感染リスクは低いと考えられます。
ウレアプラズマはキスでもうつる?
ウレアプラズマは性器だけでなく、のどにも感染するため、キスによる感染の可能性があります。
特に、オーラルセックスが一般的となった近年は、ウレアプラズマに限らず口・のどの性感染症が増えているので注意が必要です。
ウレアプラズマは病原菌ではなく常在菌?
以前は、「ウレアプラズマやマイコプラズマは病原菌ではなく、カンジダと同じような常在菌だ」とする声が、一部にありました。
しかし、ここ数年は常在菌ではなく「低病原性細菌」とする考えが有力です。
マイコプラズマ(性病)との違い
- マイコプラズマ(性病)の原因
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- ・ウレアプラズマ・ジェニタリウム
- ・ウレアプラズマ・ホミニス
- マイコプラズマ(性病)の原因
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- ・ウレアプラズマ・パルバム
- ・ウレアプラズマ・ウレアリチカム
マイコプラズマ(性病)は、ウレアプラズマと同様に「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」の原因菌です。感染経路も症状もほぼ同じです。ただ、原因菌となる細菌の種類が異なります。
ウレアプラズマの予防方法
ウレアプラズマは性的交渉を介して感染します。そのため感染予防にはコンドームを正しく使用することが効果的です。
オーラルセックスによる感染も増えていますので、性的交渉の際には、最初から最後までコンドームを着用するようにしましょう。
ウレアプラズマの症状
ウレアプラズマは1週間~5週間程度の潜伏期間を経て、症状が現れ始めます。代表的な症状は、性器の痛みやかゆみ、膿、おりもの異常、のどの炎症・痛みなどです。
症状の現れるタイミングは個人差があり、無症状の方も少なくありません。
- ウレアプラズマ
男性の症状 -
- ①性器の軽い痛み・かゆみ
- ②排尿痛
- ③尿道からの膿
- ウレアプラズマ
女性の症状 -
- ①おりものの増加
- ②性器周辺のかゆみ・痛み
- ③子宮頚部の炎症
- ウレアプラズマ
男女共通の症状 -
- ①のどの腫れ・痛み
女性の症状(性器)
- ・外陰部にかゆみや違和感がある
- ・排尿時に痛みがある
- ・おりものの量が増える
女性の性器がウレアプラズマに感染すると、外陰部の軽いかゆみや違和感、排尿痛、おりもの異常などの症状が出ることがあります。
ただ、女性は男性に比べ、ウレアプラズマに感染しても無症状であることが多いのが特徴です。そのため気づかないうちにパートナーに感染させたり、症状を悪化させたりする恐れがあります
男性の症状(性器)
- ・陰部にかゆみや痛みを感じる
- ・排尿時に痛みがある
- ・尿道からの膿が出る
男性の性器にウレアプラズマが感染すると、性器のかゆみや痛み、排尿痛、尿道からの膿といった症状が現れます。
クラミジアや淋菌感染症と似ていますが、そこまで強い症状は出ないのが一般的です。ただ、症状には個人差がありますし、症状が軽いからと言って放置しておけば、重症化する可能性もあります。
ウレアプラズマ(性病) 男女共通の症状
- ・頻繁なせき
- ・のどの痛みや違和感
キスやオーラルセックスを介し、のどにウレアプラズマが感染すると、のどの痛みや違和感、せきといった症状が現れます。
こちらも症状がそこまで強く出ない可能性があるため、性感染症だとは気づかず放置してしまう人が少なくありません。
ウレアプラズマは放置しても大丈夫?
ウレアプラズマは自然治癒しません。ウレアプラズマ感染症を放置していると、病気が悪化し以下の症状が出る可能性があります。
- 男性:精巣上体や前立腺の炎症
- 女性:子宮頸部の炎症 / 卵巣、子宮などの骨盤内感染
これらは男女ともに不妊症の原因となります。ウレアプラズマに感染したら、たとえ症状が軽かったとしても、必ず医療機関で検査をしましょう。
天神マイケアクリニックでは、感染症専門の技師による匿名検査が可能です。患者様のプライバシーを守るため個室もご用意しておりますので、検査をご検討の方はぜひ当クリニックまでご相談ください。
ウレアプラズマの検査と治療
ウレアプラズマは、尿やデリケートゾーンの分泌液、うがい液などを採取し、そのDNAを調べる「PCR検査」で感染の有無を確認します。
PCR検査でウレアプラズマの感染が確認されたら、抗生物質による投薬治療を開始します。
ウレアプラズマの治療薬
ウレアプラズマの治療は、抗生物質の内服治療です。近年、耐性菌の報告も増えているため、最も効果のある抗生物質の種類が決定できていません。そのため、治療は保険適応外になり、一度の治療で治らないこともあります。
ウレアプラズマの治療薬のリスク・副作用に関して
- リスク・副作用
-
ビブラマイシン100mg:
食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、下痢、口内炎、舌炎、発疹 等
天神マイケアクリニックのウレアプラズマ検査と治療
天神マイケアクリニックで行うウレアプラズマの検査と治療、および費用は以下の通りです。
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2項目マイコ・ウレアセット
(性器)11,000円 -
-
尿道炎の原因の一つとも言われる項目。
性器への感染を詳しく調べたい方へ。 -
- 検査項目
- マイコプラズマ(性器)、ウレアプラズマ(性器)
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- 検査方法
- 男性:尿
女性:腟ぬぐい液
-
- 検査時期
- 感染の機会からすぐに受けられます。
-
- 検査結果
- 5~7日後(Web確認可)
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2項目マイコ・ウレアセット
(のど)11,000円 -
-
尿道炎の原因の一つとも言われる項目。
のどへの感染を詳しく調べたい方へ。 -
- 検査項目
- マイコプラズマ(のど)、ウレアプラズマ(のど)
-
- 検査方法
- うがい液
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- 検査時期
- 感染の機会からすぐに受けられます。
-
- 検査結果
- 5~7日後(Web確認可)
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治療薬:検出される菌の種類によって異なります
天神マイケアクリニックでは、感染症の専門の技師による検査を匿名で受けることが可能です。患者様のプライバシーを守るため個室も用意。検査結果で陽性だとわかれば速やかに治療を開始することが可能です。
「性病検査は恥ずかしい」とお思いの方も、ぜひ一度当クリニックまでご相談ください。
ウレアプラズマの治療に保険は適用される?
ウレアプラズマは検査も治療も保険適用外となります。
ウレアプラズマの検査自体が2012年から始まったばかりで、日本では保険診療の対象外となっています。ウレアプラズマの検査を実施していない医療機関も少なくないのが現状です。
ウレアプラズマ(性病)は治らない?
処方された抗生剤を飲んでも、ウレアプラズマがなかなか治らないという場合、抗生剤が効かない「耐性菌」に感染している可能性があります。またウレアプラズマが原因で、「難治性尿道炎」を発症している可能性も否定できません。
しかし、ウレアプラズマは、適切な治療を続ければ完治する病気です。症状によっては治療に時間がかかることもありますが、専門医とよく相談しながら、医療機関での治療を継続してください。
天神マイケアクリニックには感染症の専門医が在籍しておりますので、なかなか治らない性感染症でお悩みの方は、一度当クリニックまでご相談ください。
ウレアプラズマの治る確率は?再発する?
ウレアプラズマは、適切な抗生剤の服用で90%以上の治癒率となっています。治療期間は、一般的に2週間程度です。
市販のウレアプラズマ検査キットは信用できる?
ウレアプラズマに限らず、「性感染症の検査キット」という商品が、インターネット通販などで販売されている例があります。しかし、性感染症の検査は医療機関で行ってください。
自分で調べられる検査キットは、プライバシーが守られるというメリットはありますが、医療従事者ではない方が行う検査のため、その精度は信用できません。実際、検査キットで陽性反応が出た場合の対処として、「医療機関で再検査するように」と但し書きされているものがほとんどです。性感染症の検査は、必ず医療機関で受けるようにしましょう。
天神マイケアクリニックでは、匿名で個室検査を受けることが可能です。プライバシーが守られる環境で検査を受けたい方は、ぜひ当クリニックまでご相談ください。